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QS世界大学専攻分野別ランキング2015 解説記事:生物科学コース編

今、生物科学【Biological Science】の研究が熱い!

2000年代初頭、ヒトのDNA情報が解読、ヒトゲノム計画の完了以来、遺伝学とその周辺応用分野(医療工学、薬学、遺伝工学等)は爆発的に発展しています。また京都大の山中伸弥教授による有名なIPS細胞の作製は再生医療に未来を開きました。

こうした応用分野だけでなく分子生物学、進化生物学や地球外を起源とする生物を研究する宇宙生物学等の様々な新しい分野が注目を集め、その発展には目を見張るものがあります。そうした中、世界中の実力派大学が生物科学のコースに力をいれ始めています。

シンガポール国立大学(NUS)   専攻科目別8位 総合12位 世界中の研究者を招聘(しょうへい)しています

現在、破竹の勢いでランキングを上げているのがシンガポールのフラッグシップ大学、シンガポール国立大学(NUS)です。大学教育・研究はシンガポールの国家戦略としての主要産業に位置付けられています。そのため、巨額な資金を投じて、世界的に注目される高水準の教育・研究の誘致計画を立案、大学の設備を最新のものにしているほか、研究者向けの住居エリアを確保、家族連れで研究者がシンガポールに滞在できるようなインフラを整備して、世界中から優秀な教授陣、研究者を招聘(しょうへい)しています。

一方で、アジア周辺から優秀な学生を集め、Diversity豊かな教育環境の中、キャンパスシティを実現しました。この努力が結実、今年、この分野アジア勢で初めて10位以内に入りました。

京都大学 専攻科目別16位 総合38位 IPS細胞研究所にて世界最先端の研究

この分野では東大を押さえ日本トップランク。尖った人材養成とアカデミックな学風で知られています。今年ランキングを落としましたが、この分野では世界トップランク。山中伸弥教授が所長を務めるIPS細胞研究所(CiRA:サイラ)は世界最先端の研究が行われています。  この大学もG型大学化が課題ですが、進展は急速に進みそうです。国家の威信をかけた、【スーパーグローバル大学創生支援プロジェクト】のもと、2023年には学部レベルで30%の授業を英語化する計画に専心しています。

大学院ではすでにDLE(Dual Lingual Education)が進み、生物科学の分野では多くの研究者が招聘されています。最先端の研究を牽引しているため、日本の大学の中でも、グローバル化が最も早く進んでいると評価されています。

ジョンホプキンス大学(USA) 専攻科目別22位 総合16位 アメリカの専門大学としての研究レベルと知名度は抜群

アメリカの名門有名大学といえば、リベラルアーツ型の大学を思い浮かべる方も多いと思われますが、近年、アメリカで評価が高まっているのは、専門教育のレベルが高い大学です。 中でもジョンホプキンス大学は生物科学の分野で高い専門性をもった大学として世界的に著名です。もともと医学で有名な大学ですが、遺伝学・ゲノム研究、分子生物学、発生学等の基礎生物科学から、応用分野としての薬学、医療工学、生物化学、等に強みを持っている大学です。

クイーズランド大学(AUS) 専門科目別37位 総合46位 大自然の中の多種多様な研究施設が強み

クイーンズランド大学 ヘロン島 海洋研究所(写真)

クイーンズランド大学 ヘロン島 海洋研究所(写真)

オーストラリア、ブリスベンにあるクイーズランド州立大学。理学、工学、医療系科学の専門教育に定評の高い総合大学です。 遺伝学・ゲノム研究、発生学、医療工学、等、近年注目の分野はもとより、海洋生物学(亜熱帯の海洋生物生態研究)、森林保全研究、農業土壌学、各種動物学(競走馬の研究まで)等、地域特性を生かした地味な分野にも圧倒的な強さを見せます。

この大学では海洋、鉱石、農業、酪農等の資源豊富なクィーンズランドの大自然の中、郊外や地方に特長のあるキャンパスに、ダイナミックな研究環境を確保しています。  農業ビジネス(Agribusiness)や森林学(Forestry)、森林保全研究などの環境学(Environmental Science)は、ブリスベン市内に近い、セントルシア(St. Lucia)のメインキャンパス(114ヘクタール)と郊外にあるガトン(Gatton)(1068ヘクタール)の2つのキャンパスにて講義、実習、研究を行っています。

また、ガトンキャンパスには、獣医を始めとした動物学、農業開発関係の学部もあります。 また、海洋生物学では、グレートバリアリーフのヘロン島(Heron Island)にリサーチセンターをもっています。ここでのサンゴ礁リーフの研究は世界的に有名です。ノースストラッドブローク島(North Stradbroke Island、 27,700ヘクタール)には、モレトンベイリサーチステーション(Moreton Bay Research Station)があり、研究する学生やスタッフの優れた住居環境の中、地質や海岸、海洋のエコシステムの研究や教育をしています。

クイーンズランド大学は、こうした大自然の環境の中、実践的研究がおこなわれていることが評価されています。

 生物科学コース

(続く) 次回は数理科学分野【Mathematics】を取り上げます。

※「QS世界大学専攻分野別ランキング2015 解説記事:生物科学コース編」は、世界大学評価機関「Quacquarelli Symonds(QS)」が公表している「QS World University Rankings by Subject 2015」のデータに基づいて、記事作成、編集しています。

>QS世界大学総合ランキング2015/16はこちら。

ワールドクリエィティブエデュケーション CEO オービットアカデミックセンター 代表 後藤敏夫

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