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QS世界大学総合ランキング2015/16 解説記事:QSランキング評価変動

QSランキングは本年から※1【国際論文の引用数】の扱いに変更をくわえたことで、各大学の順位にかなり変動がでたことは既にお伝えした通りです。

※1:【国際論文の引用数】の項目の評価方法の変化-平準化の影響

Scopusという国際論文のDataベースを全面的に使用。統計処理を活用、分野による著しい偏りに対する平準化処理を行ないました。

(55%の学生が社会・人文科学系のコースで学んでいるのにもかかわらず、Scopusに登録されている国際論文引用は社会・人文科学系7%。これに対して生命科学系49%、自然科学・工学系44%と著しく偏っています。)

この平準化処理により、どの分野のコースでも国際論文引用数(英語による)が以前にもまして重要なファクターになり、大学の専門性が高く、国際的論文引用が多い教授、研究者を抱える大学ほど高い評価を得る傾向が強まりました。

QSランキングでは、100大学中USAの大学が30(対昨年度2増)、1位-100位の大学数では2増ですが、ハーバード大学【2位←4位】、スタンフォード大学【3位←7位】の東西両岸のフラッグシップ大学、カリフォルニア工科大学【5位←8位】、カリフォルニア大学ロサンジェルス校(UCLA)【27位←37位】等のリサーチの強い大学がアップランキングしている一方で、プリンストン大学【11位←9位 】、イエール大学【15位←10位】、ペンシルヴァニア大学【18位←13位】、コロンビア大学【22位←14位】、デューク大学【29位←26位】等アイビーリーグを中心としたプレステージの高い上位大学が順位を落としています。

UKは100大学中18(同1減)。専門性優位の傾向が更に強まっています。理工系・生命科学系でなく社会科学・人文科学の専門性に強みを待つ大学(ロンドン・スクール・エコノミクス【35位←71位】、ダラム大学【61位←92位】等もアップランキングしています。

米英双方全体としてはほぼ横ばいです。

アジアパシフィックという地域カテゴリ-に入るオーストラリアは1-100位の合計大学数で1減の7ですが、20位以内のトップ大学に自然科学、人文・社会科学系リサーチが群を抜いて強い唯一の国立大学オーストラリア国立大学(ANU)【19位←25位】が返り咲きました。伝統的にプレステージの高いメルボルン大学【42位←33位】、シドニー大学【45位←37位】ともに大きくダウンランキングです。

シンガポール政府は2大学に重点研究・教育に国家予算と国際人材を集中的に投下。結果としてシンガポールの大学の躍進は大きく、シンガポール国立大学(NUS)【12位←22位】、ナンヤン工科大学(NTU)【13位←39位】の2大学が準トップ大学からトップ大学-ベスト20入りを果たしました(アジアではシンガポールのみ)。今後3-4年ほど同等のランキングを維持すれば、文字通りアジアパシフィックの教育・研究ハブとしての安定した位置を獲得することになります。

中国、香港、韓国に関してはランクに入った大学数は微増ないし横ばい。この地域でも同じ傾向。理工系、生命科学系のリサーチの強い大学が大きく躍進しています。精華大学【25位←47位】は2年連続、中国のフラッグシップ北京大学【41位←57位】を退け、今年は香港の大学をも抜いて全中国ナンバー1を獲得。香港科技大学(HKUST)【28位←40位】、韓国科学技術院(KAIST)【43位←51位】等の新興大学の発展も目を見張るものがあります。

UK以外のヨーロッパ勢はスイスが4(同 同数)、ドイツは4(同1増)、オランダが5(同1減)。全体的にはヨーロッパ勢は横ばい。この中でスイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)【9位←12位】、スイス連邦工科大学ローザンヌ校【14位←17位】の2大学のアップランクは目立ちます。理工系、生命科学系の専門研究・教育のレベルの高さともに世界トップレベルなことに加え、※2大学のグローバル度が高い評価に結びついているとみられます。チューリッヒ校の場合、スイス以外の国籍の教授・研究者の約70%、学生の約40%が外国籍です。(USAでグローバル化が最も進んでいるといわれるスタンフォード大学の場合 アメリカ国籍以外の教授・研究者は約45%、学生は約20%。チューリッヒ校の数値がいかに高いかがお分かりになると思います。)

ドイツの大学の評価が低いQSランキング
これはまだ筆者の推測の域をでませんが、※2大学のグローバル度の配分が高いQSランキングでは下記2点が直接・間接的に響いていると思われます。
①トップレベルのドイツの大学の授業の英語化が相対的に遅れていること。
②ドイツ政府による重点大学政策が不十分なこと。

※2:大学のグローバル度
-QSランキング・・・・・・外国人教員比率と外国籍学生比率を10%
-THEランキング・・・・・外国人教員比率、外国籍学生比率+国際共著論文比率)7.5%

後者の場合、グローバル度のポイントが低いだけでなく外国籍学生教員や学生の比率が相対的に低くても、教授が国際論文を書く率が高ければ高いスコアがつくことになります。

(続く)

関連サイトQS世界大学総合ランキング2015/16:QS World University Rankingsはこちら。
QS世界大学総合ランキング2015/16 解説記事:ランキングに異変が起こっている!①はこちら。
QS世界大学総合ランキング2015/16 解説記事:ランキングに異変が起こっている!②はこちら。
QS世界大学総合ランキング2015/16 解説記事:ランキングに異変が起こっている!③はこちら。
QS世界大学総合ランキング2015/16 解説記事:ランキングに異変が起こっている!④はこちら。

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